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「振るえ」のないパーキンソン病も珍しくありません

パーキンソン病というと、一般的に知られている症状は「振るえ」ではないでしょうか。
高齢になり手足が振るえるようになるとパーキンソン病を心配される場合も多いでしょう。
しかし実際、パーキンソン病でも2割ぐらいの方では「振るえ」がありません。医学的に「振戦」と言われている症状はパーキンソン病に必ずあるものではないのです。
私の母は2年前にパーキンソン病と診断されました。
診断されたときは、初期ではなく中期である進行期にさしかかってしまっていました。
なぜそんなにも発見が遅れたかというと、「振るえ」が全くなく、症状として目立っていたのは足元がおぼつかない、転びやすくなった、なんとなく表情に覇気がない、ということでした。
しかも、不幸だったのはもともと股関節が悪く、年齢と共に歩行に少し介助が必要になっていたことも重なりました。家族はみんな高齢ゆえに、だんだん股関節も悪化してきてしまったのだと思っていました。
しかし、表情に覇気がないことは気になり、脳のMRI検査もしてもらいましたが、特に問題はないということでパーキンソン病は疑うこともしなかったのです。
しかしある日「死にたい」などと言い始め、これは困ったと主治医に相談したところ、一度神経内科への受診を勧められました。すぐに紹介していただいた神経内科へ行くと、医師は母の歩き方をじっくり見て、「股関節から来るものではありません」と断言しました。そしてパーキンソン病の診断は、ドーパミン薬を飲んでみて、効果があるかないかということに委ねられているそうです。効果があれば間違いなくパーキンソン病ということでした。
その日からドーパミンを飲み始めると、翌日には「なんだか体がポカポカしている」と言い、2.3日後には能面のようだった表情がとても明るくなりました。そして体も動きやすいと言い、家族が見ても歩く動作がしっかりしてきたのがわかりました。
結果パーキンソン病と診断され、薬を飲み続けています。パーキンソン病は進行性の病気で薬で治るわけではなく、母も2年間の間に投薬量も増えました。しかしコントロールしていくことで、介護度が高くなることなく過ごせています。
「振るえ」の症状がなかったことと、もともと足が悪かったことで発見を遅らせてしまい、精神的に辛い日々が続いたことには、もっと早く気付いてあげられていたらという後悔があります。
「振るえ」がなくてもパーキンソン病の可能性はあるということを多くの方に知ってもらい、早期発見して生活の質を高めていただきたいと願っています。